コウモリ対策

■アブラコウモリ

 

形態

アブラコウモリの翼部

大きさは、前腕長 30.3-35.5mm、頭胴長 38-60mm、尾長 29-45mm、体重5-11g。歯式は、2/3・1/1・2/2・3/3。体毛は黒褐色から暗灰褐色。皮膜は灰褐色または明るい褐色。幼獣は黒っぽい。雄の場合は、多種と比べて長い陰茎が目立つ(陰茎骨が10-11mm)。

生態

市街地を中心として、平野部に広く分布する。東京都心をはじめとする都市部の市街地にも数多く棲息し、夕刻の空に普通に見られる。人家のない山間部などには棲息せず、自然洞窟などでの記録は、まれにしかない。1.0cm ほどの隙間があれば出入りすることができ、家屋の瓦の下、羽目板と壁の間、戸袋の中、天井裏、換気口など建物の隙間などを主な棲息場所(ねぐら)とする。都市部では、高層ビルの非常口裏などのほか、道路・鉄道等の高架や橋の下、大型倉庫内などもねぐらとなる。

数頭の家族単位(雌と幼獣)で暮らすことが多いが、幼獣を含む雌の繁殖集団では、50-60頭、時には200頭にもなる。成獣の雄は1頭で暮らすことが比較的多い。

夜行性で、昼間はねぐらで休み、日没近くから夜間に飛び回る。ユスリカヨコバイなどの小型昆虫類を主食とし、ウンカ甲虫なども捕食する。活動は日没後2時間程度が最も活発。河川などの水面上や田畑・駐車場などのオープンスペース、あるいは街灯の近くなどを、ヒラヒラと不規則に飛び回り、飛翔昆虫を捕食する。都市部では、有機物量の多い汚濁河川から大量に発生するユスリカが重要な食物となっていることが多い。

日本では、11月の中ごろから冬眠に入る。暖かい場所に多数が集まって冬越しをする。3月中下旬に冬眠から覚め、活動を開始する。冬眠期間中でも、暖かい日には飛翔する姿が見られることもある。近年、都市部では冬眠しないものも現れている。

雌は満1歳から出産し、7月初旬に1-4頭(通常は2-3頭)の仔を産む。30日程度で離乳して巣立つ。10月に入ると交尾を行う。精子は雌の生殖器官に貯えられたまま冬を越す。冬眠あけの4月下旬になってから排卵が起こり、受精妊娠する。寿命は雄で3年、雌で5年ほどと、他のコウモリと比べると短い。雄は1年以内に死んでしまうことが多い。

被害

人家周辺を飛ぶ蚊などの害虫を捕食するため、アブラコウモリには益獣としての側面がある。一方、1か所に暮らす個体数が多い場合、人家を住処とすることもあって、糞や尿による落下汚染とそれに伴う臭いやダニの発生、または夜間の騒音によっても、人間生活に被害とみなされる影響を与えることがある。近年、このような苦情は増加傾向にあると言われる

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対策

自然界に生息する鳥は、鳥獣保護法によって守られている ため、特別な理由を除き殺したり捕獲したりすることができません。そのため、鳥類の防除対策は、基本的に鳥が棲みつく 前に寄せ付けないことが重要となります。

■鳥を寄せ付けない対策方法駅やビルなどにおいては、鳥の休憩場所になる箇所に忌避剤を散布したり、ハト防除用スパイク(針)を設置したりして、留まることができないように対策をとります。

しかし、巣の場所となっているところや、スパイク(針)を設置していも追い出しが困難なところは、防鳥用ネットを張り、物理的に入れないようにする必要があります。

防鳥用ネットを張ることが困難な場合は、スパイク+ジェル忌避剤の併用施工が有効です。

なお、ネットやスパイクの取り付けは高所での作業が多く危険なため、害虫・害獣駆除業者に依頼されることをおすすめします。

料金

作業名 金額
追い出し作業 ¥5,000〜
コウモリ追い出し
侵入予防工事 ¥5,000~/個所
通気口対策 ¥7,000/m
外壁飛来対策 ¥10,000/m
高所作業の場合別途追加
天井裏清掃 ¥30,000~/棟
糞・ダニ処理 清掃・消毒